冬になると食べたくなる、牡蠣。実は牡蠣はサステナブルな可能性に溢れた食品だと言うことはご存じでしょうか?
牡蠣殻の主成分は炭酸カルシウム (CaCO3) ですが、牡蠣は成長の過程で海水に溶け込んだCO2を間接的に取り込んで牡蠣殻を合成するため、炭素の固定に寄与することが期待されています。さらに牡蠣養殖は、投餌の必要がないため環境負荷が少ない点、異常発生したプランクトンを摂餌により除去して海洋環境における物質循環の調整役を担う点からも、牡蠣はサステナブルな食材として注目されており、WWFのレポートでも言及されています(https://www.wwf.or.jp/activities/data/20210308resource01.pdf)。

一方、弊社が有する独自素材、微細藻類「ユーグレナ(和名:ミドリムシ)」もサステナビリティへの寄与が期待される食材です。59種類の豊富な栄養素を含み健康食品として利用されるだけでなく、成長時に光合成をしてCO2を吸収するため、人と地球の健康を同時に実現するポテンシャルを持つ素材として注目されています。微細藻類ユーグレナについての紹介記事は⇒こちら

この度、株式会社ユーグレナとうみの株式会社は、これらのサステナブルな素材、ユーグレナと牡蠣を組み合わせて、「フレーバーオイスター ユーグレナ」を共同開発いたしました。
「フレーバーオイスター」はうみの株式会社らが特許出願しました独自技術により作られます。この技術は、飼育水中に懸濁した非水溶性の微粉末を投餌すると牡蠣類が餌と誤認して摂食してしまう点と、牡蠣を海水から水揚げしてしまうと腸管内容物は排出されず保持される、という2つの性質を利用したものであり、任意の素材を取り込ませ、風味づけを行うことができる優れた技術です。
ひと口目は通常の牡蠣、しかし噛み進めると給餌素材の味わいが口に広がっていき、複雑で奥ゆかしい豊かなおいしさが感じられます。
この技術を用いて共同開発しました「フレーバーオイスター ユーグレナ」。断面からは緑色のユーグレナが垣間見られます。ひと口目は通常の牡蠣ですが、二口目から徐々にユーグレナの風味が広がってきます。牡蠣がユーグレナを少し消化したおかげで、ユーグレナ粉末をそのままかけて食べるよりも、ユーグレナの特徴的な藻の香りが抑えられ食べやすくなったのは興味深い点です。ユーグレナのフレーバーが感じられる美味しい牡蠣であることもさながら、ユーグレナが持つ豊富な栄養素も含まれ、さらには海や地球のサステナビリティに貢献できる可能性を有する商品となりました。
「フレーバーオイスター ユーグレナ」の断面図
社内のメンバー(28名)ではありますが、「フレーバーオイスター ユーグレナ」試食会が行われました。その結果、通常の育て方をした基準の牡蠣に比べて、好意的な食味結果が得られました。個人の感想ではありますが、「クリーミー感があった」「身が厚くうま味があった」等の声が聞かれ、ユーグレナフレーバーの牡蠣で一定の評価をいただくことができました。

以上のような「フレーバーオイスター ユーグレナ」、この記事をお読みいただいてお味が気になる方はいらっしゃるのではないでしょうか?そんな方々は、⇒こちら をチェックです。「フレーバーオイスター ユーグレナ」をお求めの方は通販サイトからご購入いただけます。
牡蠣小屋うみの https://kakigoyaumino.com/
(内容)
・プレーン8個
・フレーバーオイスター ユーグレナ8個
(価格) 5,500円(税、送料別)
食べて美味しく、人も地球も健康に。この機会にご賞味いただき、ぜひ食卓で味わいながらサステナビリティについて考えていただくきっかけになればと考えています。
弊社はこれまで、バイオマスの5F※の基本戦略に基づき、ユーグレナなどの微細藻類を活用して、食品や化粧品をはじめとするヘルスケア事業やバイオ燃料開発・製造などのエネルギー・環境事業に取り組んできました。今回開発した「フレーバーオイスター ユーグレナ」は、5Fの中ではFeed(飼料)利用に相当し、ユーグレナのさらなる活用を進めるものです。ユーグレナ社は今後も、ユーグレナなどの微細藻類を活用した事業を推進します。
※ バイオマスには、重量単価が高い順にFood(食料)、Fiber(繊維)、Feed(飼料)、Fertilizer(肥料)、Fuel(燃料)の5つの用途があり、重量単価の高いものから低いものに順次事業を展開していくことで、バイオマスの生産コスト低減とバイオマスの利用可能性の拡大を推進する、という事業戦略